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「時の過ぎゆくままに」著者:佐々木史朗

「時の過ぎゆくままに」著者:佐々木史朗

VOL.113 「思い出さん 今日は・・・」

あれこれと公私共に忙しい11月でしたが、何十年も前の記憶も呼び戻された11月でもありました。

まず、大学時代の先輩が代表を務めているオフイスから「出版記念パーティー」の案内が届きました。
残念ながら、他に予定が入っており、出席することはかなわなかったのですが、その出版物は早速取り寄せました。
「時の過ぎ行くままに」とのタイトルが記載されたその本は、大学に入って演劇関係に手を染めて、その後テレビ興隆期の放送現場へ、そして映画会社の社長に就任。映画プロデューサーとして活躍を続け、日本映画大学の設立・・という彼の何十年間かが、エッセイや対談で楽しくまとめられているようです。
映画やテレビ番組のタイトルも「ああ、これも彼のプロデュースなのね!」とびっくり。
映画やテレビの現場などは、私の理解できる世界ではありませんが、なんと言っても初期の頃の記載や写真を見て、私の古い記憶がよみがえってきたことでした。

 
 

正門も設けないという自由な雰囲気の大学でしたが、校舎の裏手に学生劇団の部室や稽古場が並んでいました。そこの3番目に位置する劇団「こだま」でご一緒に活動をさせていただいたのです。私は2年ほど後輩でした。
「阿Q正伝」「狼生きろ豚は死ね」「島」・・・。一緒の舞台写真もアルバムに残っておりますが、それぞれ仲間たちが役者・演出・大道具・小道具・照明・・と分担し合い、ドサ周り(地方公演)も何度か行ないました。
高名な先生方の様々な授業よりもよほど私の体の中に埋め込まれた大学生活でした。
・・・・普段の生活の中では、ここまであれこれ思い出すこともない世界に私を引っ張りこんだこの書籍でした。
先輩にお目にかかる機会もあるかなーーー。

もうひとつ、このパーティーのあった週に、10月に他界した義兄の四十九日の法要があり、古河まで行ってきたのです。
本堂での納経の後、裏手にあるお墓へ納骨。
天寿を全う・・という年齢でしたが、やはり涙がわいてきますね。
法要の後は義兄の好きだった鰻屋さんで、家族と親戚関係で食事をしました。
内々の会合なので、故人を偲ぶ話題や資料が見せられ、古い写真を何枚か貼ったパネルもまわされてきました。
この写真は主人の父親でもあるおじいちゃんを中心に、仏様の兄弟達、その子どもや甥・姪たちの幼い頃の写真です。
十数年前に他界した主人も兄弟達も若々しいことです。
そして、我が家の子供達も甥・姪たちも可愛らしいことです。
けっこう剣道がはやったお家柄でしょうか、剣道着や試合での写真も・・・。
三十数年くらい前の姿ですねー。本人達を交えてその頃の話題で盛り上がったことでした。

もうひとつ11月に関係のあることを思い出しました。
先日三島由紀夫の紀行文集が出版されたということで、つい書店に寄ってしまいました。
あのショッキングな事件のあったのも11月ですね。
劇的な自分の人生をあのような形で演出した作家の作品を、夢中になって読みふけったのは中学生の頃なのです。
理解できていたかどうかわからないのですが、サイン会で有名な小説「禁色」にサインをいただいて、友人達に見せびらかしたのを思い出します。
生意気な中学生だったのですね。

慌しい年末が控えているというのに、いつもより長々と書いてしまいました。「思い出さん 今日は・・・」(島倉千代子唄)と言う境地の立石でしょうか。
(2018年12月10日)